『レモンの木』

わたくしが何せ苦手なのは、植物草木の名前である。つまり何も知らないという事、改まって言うことではないが「無知」なのである。

そんなわたくしが初めて植物について書くのが「レモンの木」である。我が家にはそれなりに草木が植わっているが、口で味わえるのはレモンだけである。聞く所によると、十数年前カミさんの誕生日祝いとして娘が贈ってくれたものだそうである。その話、わたくしにとって初耳で当初3040cmだったそうだ。それが今では3mを超える高さにまで成長している。(右写真)

 当初6年ほど実は付かなかったそうだが、今では30個ほどレモンイエローが緑葉の合間に揺れている。

実際に二つに切ると柑橘のさわやかな香りと、汁が包丁の刃に沿って流れる瑞々しさは朝の清澄感に似つかわしい。

 市販のものと比べて見るといくつかの違いがある。

・形、大きさ、色がバラバラであるが味と香りはいい

・実が締まって、かなり堅い

・表面に色の変化や、こげ茶の斑点があり、見栄えは悪い

大体表皮に虫食いみたいな斑点があるのは、確かに見た目は悪いが、自然のままである証拠で、虫も食するほどいいというべきだろう。

レモンの味と香りは、歌の詞に使われることがすこぶる多い、それは若き思春期の恋の行方であり、片思いのツンと来る胸の痛みや異性へのあこがれ、揺れ動くときめきの心を、何といったらいいかレモネードないしレモンティーに愛の言葉として乗せられるからである。

間違っても老いらくの出会いではないようだ。なぜなら老し恋心ではレモンの溌剌とした酸っぱ味はないからだ。仮に酸っぱ味があるとすればしわしわ・・・・の梅干しの酸っぱ味だろう。

まあものは考えようだから、レモンより梅がいいと言っても抗弁するものではない、ただその場合その後の生活が非定常に揺れ動いても、責任は自前であることを忘れてはならないということである。